どんなゲーム機だった?
2004年12月2日の最初期モデルの発売から2017年4月末のDSLite修理受付終了までのおよそ13年間任天堂を支え、世界累計売上台数約1億5000万台を記録。全世界で最も売れた携帯型ゲーム機として発表されました。
平成元年に発売された「ゲームボーイ」シリーズを超えて携帯型ハードウェアとして最高の累計販売台数になりました。
一番の特徴はDSの名称の元となった、2つのディスプレイ「Dual Screen」で表示されるゲーム環境です。上のディスプレイは液晶画面でゲーム画面を表示し、下のディスプレイは抵抗膜方式(感圧式)のタッチ操作が可能な液晶タッチパネルを採用していました。
これまでの携帯ゲーム機の液晶画面はただ「表示させる」だけ、液晶の解像度が上がれば「パワーアップ」とされていた風潮から方向転換し、「ゲームの中のものを自分のタッチで操れる」という新しいインターフェースを提供して楽しませてくれました。
仕様・スペック
製品名
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NINTENDO DS(ニンテンドーディーエス)
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メーカー
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任天堂
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CPU
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製品名
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メインプロセッサ: ARM9(ARM946E-S)
サブプロセッサ: ARM7(ARM7TDMI) |
キャッシュ
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ARM9: 命令8KB/データ4KB
ARM7: 無し |
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動作クロック
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ARM9: 67MHz
ARM7: 33MHz |
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性能
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ARM9: 74.47 MIPS |
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メインメモリ
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メインメモリ
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4MB
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ARM9/ARM7共用
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32KB (16KB×2)
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ARM7専用内部ワークRAM
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64KB
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ビデオメモリ(VRAM)
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656KB
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グラフィック
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2Dグラフィックエンジン
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BG: 最大4面 / OBJ: 最大128面
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3Dグラフィックエンジン
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座標変換能力: 最大4M頂点/秒
ポリゴン描画能力: 最大120Kポリゴン ピクセル描画能力: 最大30Mピクセル/秒 |
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サウンド
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サウンド
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ADPCM/PCM(最大8chをPSGに設定可能)
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同時発音数
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16ch(最大8chをPSGに設定可能)
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その他
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マイク入力
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LCD
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解像度
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256×192 ドット
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表示色数
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262,144色(R:G:B=:6:6:6)
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サイズ
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3インチ
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ドットピッチ
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0.24mm
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タッチスクリーン
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抵抗膜方式 透明アナログタッチスクリーン付き
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その他
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ワイヤレス通信
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IEEE802.11準拠プロトコル / 独自プロトコル
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入力デバイス
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液晶タッチパネル
十字キー A、B、X、Y、R、L、START、SELECT |
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OS
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–
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電子制御
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スリープモード対応(決まった時間や、無線受信によるWakeUp)
2Dエンジン、レンダリングエンジン、ジオメトリエンジン、 LCDの電力制御が可能。 |
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メディア
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最大2Gbit(256MB)
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電池持続時間
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約6~10時間 (使用するソフトにより異なる)
バッテリーフル充電時間: 約4時間 |
スペック解説
CPU
英アーム社の「ARM9」と「ARM7(ARM7TDMI)」の2つのプロセッサを搭載。携帯電話にも数多く使用されているプロセッサである。上位機種にiPhoneで使用されている「ARM11」「Cortex-A」がある。
「ARM7TDMI」プロセッサはゲームボーイアドバンスにも採用されていたもの。動作クロックは アドバンスと比べて2倍ほど高くなっているが、GBAソフトのdもハードウェアレベルで対応している。DSソフト使用時にはデュアルプロセッサ構成となり、「ARM9」は演算・グラフィック処理、「ARM7」は無線・タッチパネルなどのインターフェースに使用される。
グラフィック
Nintendo64を超える3Dレンダリングを表示でき、携帯ゲーム機は異例の秒速60フレーム。Fog(霧効果)やCellShade(セルシェイド)などのエフェクトも可能で、Nntendo64をベースに低解像度向けに改良されたものではないかという噂もある。
サウンド
SPUは最大16ch(うちPSG8ch)とGBAの6ch(GB/GBC互換4ch、GBA拡張2ch)を内蔵し、互換性を持ちながらより複雑なサウンド効果が可能になった。
ディスプレイ
2画面とも同一のTFT液晶を搭載している。従来の1画面ゲーム機ではできなかった「別画面ステータス表示」や「同時別アングル表示」等、いろいろな場面で利用できる。下画面はタッチパネルディスプレイになっているため、さらに名前入力やアクション操作などインタラクションな用途で使用される。
ちなみに、NintendoDSの「DS」は「ダブルスクリーン(Double Screen)」という意味を持っている。また、任天堂幹部の方による発言によると「Dual Screen」、「Developer System」という意味もあるとされている。
※「ダブルスクリーン」http://www.nintendo.co.jp/ds/series/popup/index.html
※「Developer System」http://www.nintendo.co.jp/event/e3/ds/release/japanese.html
通信
独自に開発したMACプロトコルと、IEEE802.11に準拠したMACプロトコルの2種類を備えており、無線の物理層としては2.4GHz帯を使ったスペクトラム拡散方式を用いる。飛距離について、任天堂は「学校内のような環境において、無線電波が100m程度届くことを確認している」と公言している。
またこのネットワークを使い、GBAと同様に1本のソフトでほかの本体(最大16台)と共有・対戦することもできる。
DSとDS Liteは、セキュリティの意味をなさなくなってしまったWEP(※)による暗号化のみにしか対応しておらず非常に危険視されていたが、第3形のDSiではWPA・WPA2に対応している。
※一瞬にして無線LANのWEPを解読する方法がついに登場、まもなく解読プログラムを公開予定
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20081013_wep_morii/
メディア
新しく開発されたカード型の半導体メモリーで、低コスト・短時間の生産が可能となった。
容量は最大2Gbit(256MB)と若干少なめではあるが、今後増える可能性があると思われる。任天堂から発売された「ASH アルカイック シールド ヒート」で初めて2GbitのROMカートリッジが使用されている。
電源・バッテリー
電源は従来の乾電池ではなく専用バッテリーになり、標準で充電方式となった。パワーマネジメント機能に「スタンバイモード」と「スリープモード」の2つがあり、スリープモードは好きなときにゲームを止めたり始めたりでき、スタンバイモードはメッセージを受信した場合に自動起動が可能なモードである。