ゲームボーイの凄いスペックまとめ

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どんなゲーム機だった?

1989年4月21日に発売された、任天堂としてはゲーム&ウォッチについで2つ目の携帯ゲーム機です。

発売当時はファミコンよりもはるかに高画質なメガドライブやPCエンジンなどがすでにおり、同時にスーパーファミコンの開発が進んでいたため売れるのか懐疑的でしたが、ゲームセンターや家じゃなくても「どこでもゲームができる」という衝撃は子供達を駆け巡りました。

初代ゲームボーイを持っていた人は本体の「ゴツさ」が忘れられないと思います。任天堂は子どもたちに遊んでもらうことを考慮し、非常に強度な耐久性を持った設計になっていることが知られています。

湾岸戦争の際にアメリカ軍兵士に暇潰し用としてゲームボーイを提供したものが兵舎から発見され、外装がひどく焼けていたが内部には問題はなく、正常に動作したというエピソードがあります。

湾岸戦争で爆撃を受けて、ボロボロになったゲームボーイのムービー – http://gigazine.net/news/20070103_gulf_gb/

仕様・スペック

製品名GAMEBOY (ゲームボーイ)
メーカー任天堂
CPU製品名SHARP LR35902
動作クロック4.194304MHz
アドレス空間16bitアドレス(64KB)
メモリメインメモリ8KB SRAM
グラフィックビデオメモリ8KB SRAM
サウンドサウンドモノラルパルス波2ch
+波形メモリ音源1ch
+ノイズ1ch
スピーカスピーカ: (8Ω) 10mW モノラル出力(左右合成)
ヘッドホン: (16Ω) 2mW ステレオ出力
LCDLCDSHARP STN型ドットマトリックス液晶
解像度160×144ドット
表示色数4諧調モノクロ
その他消費電力約700mW
入力デバイス十字キー A、B、START、SELECT
寸法90mm×32mm×148mm
質量約220g (電源含まず)
メディア256Kbit(32KB) ~ 8Mbit(1MB)
電池持続時間マンガン乾電池:約15時間
アルカリ乾電池:約35時間
充電式アダプタ:約10時間
発売日1989年4月21日
価格12,800円(税抜)
8,000円(税抜) [1994年5月1日価格改定]

スペック解説

CPU

シャープ製のCPU「LR35902」を採用しました。Z80の機能を含む事から「Z80カスタム」と表記されることが多いのですが、機能的には8080のカスタムCPUにあたります。(Z80(ザイログ社)は8080(Intel社)の上位互換製品)

このCPUとZ80、8080とを比較すると、Z80で追加されたレジスタや命令が存在しないことや、8080にありZ80で拡張されたレジスタ交換・I/O命令もなくなっていること、フラグ整理統合されていること等があり、ほとんど8080のサブセットと言えます。

しかし、携帯ゲーム機用らしく省電力のための拡張命令が2つあります。1つは、8080にも存在する「CPU 停止命令」が実際に強化された命令です。もう1つは、CPU停止命令と画面表示回路への通電も停止する「システム停止命令」が新設されました。後者はいわゆるサスペンドモードにあたります。

参考

※間違いのご指摘があり内容を訂正しました。あきよし様ありがとうございます。

  • 正確にはZ80系とは言えない
  • リコー製ではなくシャープ製である

(旧参考ページ(Living fossil Z80)の「リコー DMG-CPU Z80カスタム」を採用したため。)

 CPU のここが凄い!

単純さ、効率性、そして低消費電力という特性から、モバイルゲーム初期において衝撃的かつ革新的だったこと!

さらにサウンドも内蔵されていて、必要なものが1チップになっていてゲーム機としての完成度が非常に高かったのが凄いです。

グラフィック

SHARP製のSTN型液晶を採用していました。もともとはゲームウォッチで採用されていた、電卓にも採用される「TN液晶」を引き続き採用する予定だったそうですが、ゲームボーイでは覗き込む角度が異なり、見辛い液晶となる事が想定されました。

これを踏まえ、シャープは応答速度を犠牲にしながらもコントラストが良く、正面から見える「STN液晶」の開発を成功させ、採用した経緯があリマス。

参考

 グラフィックのここが凄い!

STN液晶が採用され、ゲームボーイは当時の携帯ゲーム機としては最高のコントラストを実現していたところ!

サウンド

サウンド処理はCPUに統合されています。最大同時発音数は4音(各チャンネル1音ずつ)です。

それぞれの詳細は以下の通りです。

  • CH1,2 … 矩形波(デューティー比1:1、1:3、1:7、3:1)音量16段階
  • CH3 … 波形メモリ(ループ32ビット、振幅16ビット)音量3段階
  • CH4 … ノイズ(ホワイトノイズ、短周期ノイズ) 音量固定

ファミコンのサウンドシステムより性能が上がっていますが、ゲームボーイのカートリッジには基本的には拡張サウンドチップが搭載できませんでしたので、この4音のみで音楽を作る必要がありました。

参考

 サウンドのここが凄い!

携帯ゲーム機なのにすでにファミコン以上の能力があったこと!

普通にゲームプレイすると小さいスピーカーでのモノラル再生でしたが、ヘッドホンを差すと高音質なステレオ再生になったのは驚きでした。

通信

専用ケーブルを用いることでゲームボーイ本体同士の通信を行うことができました。

通信クロックはベースクロックがそのまま使われる。ゲームボーイカラーから実装された倍速モードにおいてもクロックが2倍になるため、通信速度も2倍となる。(但し、過去のソフトにおいては従来のクロックで使用されるため、通信速度の違いを確かめることはできない)

しかし、この通信のプロトコルには“RDY/ACK”信号(通信準備のための信号と、通信が正確に行われたことを証明する信号)が全くないために、通信を正確に行うにはトリッキーなプログラムが必要だったそうです。

実際ポケモンの交換時に通信ケーブルを絶妙なタイミングで引っこ抜いて増殖させるバグ技はこのようなシンプルな通信だったため生まれたものです。

参考

メディア

カートリッジROM型のメディアを採用しており、容量は32KB~1MBでした。

ファミコンと同様に、カートリッジ型のメリットとしてROM回路に機能を追加することができ、バンク切り替えによる容量の増加やプロセッサ搭載による処理速度の増加などが可能でした。

後期にはバッテリバックアップによるセーブ機能やポケットカメラのカメラ、カラーにおいてはポケモンピンボールなどのカートリッジには直接振動機能等も実装されました。

参考

 メディアのここが凄い!

小さくて強固なカートリッジにバッテリバックアップも備えてカメラや振動の機器まで実装されたこと!

型番解説

DMG-01

DMG-01 (1989.4.21発売)
グレーカラーの本体の初代ゲームボーイ。定価12,800円。
型番のDMGは液晶の特徴から「Dot Matrix Game」の略とされている。

[1993.6.5] ステレオヘッドホンの同梱を廃止し、9,800円に値下げ。
[1994.5.1] 8,000円に価格改定。
[1994.11.21] 「ゲームボーイブロス」と名付け、「レッド」「イエロー」「グリーン」「ホワイト」「ブラック」「スケルトン」 の5色を発売。8,000円。

MGB-001

MGB-001 (1996.7.21発売)
「ゲームボーイ ポケット」
サイズが小さくなって持ちやすくなった。定価6,800円
カラーは「グレー」「レッド」「イエロー」「グリーン」「ブラック」 の5色。
電池は単4電池2本になったが、その反面電池の持ち時間が少ない。

[1996.10.19] 「シルバー」カラーモデル。専用ケース付き。7,800円。
[1997.4.18] 「ゴールド」カラーモデル。専用ケース付き。7,800円。
[1997.7.11] 「ピンク」カラーモデル。6,800円。このモデルからバッテリーランプが装備された。
[1997.11.21] 「クリアパープル」カラーモデル。6,800円。
[1998.2.14] 5,800円に価格改定。(ゴールド・シルバー除く)
[1998.11.14] 3,800円に価格改定。(ゴールド・シルバー除く)

MGB-101

MGB-101 (1998.4.14発売)
「ゲームボーイ ライト」
有機ELの緑バックライトを搭載した、暗闇でもプレイできるモデル。定価6,800円
カラーは「ゴールド」「シルバー」 の2色。
電池は単3電池2本になり、ポケットに比べ駆動時間が長くなった。

CGB-001

CGB-001 (1998.10.21発売)
「ゲームボーイ カラー」
カラーTFT液晶が搭載されカラー(32768色中最大56色)で表示できるようになった他、赤外線通信が可能となった。定価8,900円。
CPUは8MHz版が搭載されているが、カラーではない旧ソフトでは従来の4MHzで駆動する。
カラーは「レッド」「パープル」「イエロー」「ブルー」「クリアパープル」「クリア」 の6色。
電池は「ゲームボーイ ライト」に引き続いて単3電池2本。
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